ドイツの環境情報

ドイツの環境関連情報を探している人は多いと思います。だいぶ古い本となってしまいましたが、下の本は様々な分野の事例が多く紹介されていて、参考になると思います。この本の著者の今泉みね子さんは、他にもドイツの環境政策や活動について本を出していますから、そちらも見ると良いでしょう。



上の2つの本は、ある意味、私がドイツに来るキッカケにもなった本です。当時、環境関係の本をたくさん読み、またあらゆる種類の環境問題が身近なところで目について、環境改善の仕事がしたいと思ったのが、私がドイツに来た理由です。ある程度ドイツで勉強して経験を積んだら、日本に帰るつもりでした。それがナゼか何年もドイツに居座ることになり、更にここに居続けそうになっています。人生計画も何もあったものではありません・・・。

実際にドイツに来たことを振り返ってみると、ドイツの環境対策について事例ややり方を勉強するだけなら、ドイツに来る必要もなかったかなと思います(笑)。何と言っても言葉の壁は大きいので、よほど専門分野で具体的に知りたいことがある場合以外は、情報収集も大変です。生活自体、勝手が違うので苦労なしでは済まないですしね。私もようやくここ2~3年になって、ドイツ語にもそれ程敷居を感じなくなりました。

そうは言っても、私自身は環境への取り組みだけでなく、ドイツの仕事の進め方や文化なども含めて肌で感じられたので、良かったとは思っています。実際に住んでみて、人が住みやすく景観も良いのは、間違いなくドイツの街だなと思っています。環境問題への取り組み方も自然です。でも、一般市民の環境意識は高くはないです。日本の方が環境意識は高いと思います。サービスも製品の作りの細やかさも日本が上です。ドイツにも、環境への負担をかけているウソみたいな活動もあります。これも所詮は人間の活動なので、善悪問わず様々な動きがあるのは、考えてみれば当然ですね。

日本からみると、ドイツは環境大国で素晴しい対策をしているように見えます。でも結局は「隣の芝生は青い」もので、ドイツはドイツで、日本を始めアジアのテクノロジーを羨ましいと思っています。環境技術分野でも、日本に新しい物があれば自国にも取り入れようとします。そういうところが面白いと感じています。

関連記事:
・ エコライフ―ドイツと日本どう違う
・ カーシェアリング プロジェクト
・ 新しい資源ゴミ回収

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非電化製品

私たちの身の回りでは、ありとあらゆる電化製品が使われています。

電気というエネルギーは、熱や運動に簡単に変換できて便利なエネルギーです。電化製品は、何らかの形で電気エネルギーを別のエネルギー形態に変換しています。例えば、暖房や電気ポットは電気を熱に変えていますし、ミキサーや電動ドリルなどはモーターを使用して運動エネルギーに変換しています。

ところが、他の形態のエネルギーを電気エネルギーへ変換しようとした場合、変換効率がとても悪くなります。例えば、火力発電や水力発電のように、熱や運動エネルギーを使って発電する場合は、どうしてもロスが出てきます。

少し難しい話になりますが、「エネルギー変換」というのは電気・光・原子核・化学・機械・熱の6種類のエネルギーを相互に変換することを言います。電気・光・原子核は高質なエネルギーと呼ばれ、他のエネルギーに変換するのは簡単ですが、逆の変換は困難です。この分類では、熱は最も低質なエネルギーです。機械を動かした時や、明かりを点けた時など、変換しきれなかったエネルギーは熱として逃げます。

発明家の藤村靖之氏の書いた「愉しい非電化」という本があります。

この中で著者は「非電化製品」というものを勧めています。「非電化」というのは「電化されていない」「電気に頼らない」といった意味を持った著者による造語です。つまり、「非電化製品」は、高質で変換するには無駄が多いエネルギーである電気を使わずに、別の方法でエネルギーを変換して使う製品です。

この本を読むと色々な非電化製品の例があって楽しめます。特に著者が発明した非電化冷蔵庫は秀逸だと思います。天気が良く雲がない夜に気温が冷え込む、放射冷却と同じ原理を使って作っています。現在私たちは、冬には屋外が十分に寒くなるのに、わざわざ電気を使って冷蔵庫を動かして食品を冷やしていますよね。よくよく考えてみると、かなり馬鹿らしいことをしています。

あとは、振り子式の時計や足踏み式ミシンも非電化製品の一例です。非電化製品は、過去記事の『ちょうどよい大きさの技術』で出てきた「中間技術」に間違いありません。

「こういう製品をどういう形で利用していくのか」という話は、また別の機会に書いていきます。

関連記事:
・ 電気自動車プロジェクト
・ オール電化住宅の罠
・ ちょうどよい大きさの技術
・ 足踏み式ミシン

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ちょうどよい大きさの技術

以前の記事で、経済学者のシューマッハーが中間技術という小規模の技術を薦めていると書きました。

彼は著書の中で、ガンジーの言葉を引用しています。

「私としては、何百万人というインドの声なき民がすこやかで幸せであってほしい。また、精神的に成長してほしい。機械が必要だというなら、もちろん機械を使おう。一人ひとりの人間を助ける機械はいいが、少数の人の掌中に力を集中させ、大衆を失職させないまでも、機械の単なる番人にしてしまうような機械はいらない」


ガンジーも、マス・プロダクションが何をもたらすか見抜いていたのですね。

小規模の技術が良いと言っても、それはハイテク技術を駆使して集積化や縮小化がされた物ではありません。シューマッハーは技術に対して、3つの条件を示しています。

科学・技術の方法や道具は、
ー 安くてほとんどだれても手に入れられ、
ー 小さな規模で応用でき、
ー 人間の創造力を発揮させるような、
ものでなくてはならない。


第一の条件では、一仕事場あたりの平均設備投資額は、能力とやる気のある労働者の年収を上限とするのが妥当だろうという結論に達しています。さらに、コストがこの限度を相当越すと、その社会は次のような深刻な混乱を招くと述べています。

・ 特権的少数者に富と権力が不当に集中する
・ 社会からはじき出され、絶えず脅威となる「落ちこぼれ」が増える
・ 「構造的失業」や都市化の行き過ぎによる人口の偏在
・ 一般的に挫折感と疎外感が生じて犯罪率を上昇させる

う~ん、、、まさに現代社会の問題ですね。

シューマッハーは、第三の条件が、この3つの条件の中で一番大事だと言っています。生産方法や設備に人間の創造力を活かす余地が、たっぷりあるべきという考えです。現在のように、仕事をオートメーションでできるだけ早く廃止してしまうべき雑用とみなさず、健全で正しい労働観が必要だと強く訴えています。

「中間技術」を開発する動きは、現在でもありますが、ほとんどが第三世界向けになっています。先進国でも使えるような、魅力的な中間技術が作れたら良いなと思っています。


関連記事:
・ スローに生きる
・ スモール イズ ビューティフル
・ 非電化製品

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スモール イズ ビューティフル

これは経済学者のシューマッハーが書いた本です。私にとってはバイブル的な本です。読むのはかなり速い方なのですが、この本は両方とも読むのに数日かかりました。(何度読み返しても、やはり時間がかかります…)

私が経済学に慣れていないせいもあるかもしれませんが、内容がとにかく濃くて重いのです。暇つぶしには向きません。私にとっては、頭が冴えている時に腰を落ち着けて(しかも姿勢を正して)、読むタイプの本です。だから万人にオススメはできません。でも、とても素晴しい本ですし、翻訳も悪くはありません。

それにしても、40年近く前に、現代の資本主義経済とエネルギー危機の本質を読み取った、シューマッハーの洞察力には驚かされます。経済学者の書いた本でありながら、とても哲学的でもあります。

さわりだけ紹介しますが、シューマッハーは現代社会では「所得と資本の区別がいちばん肝腎なところで忘れられている」と言っています。人間には造れず、単に発見できるだけの資本を、所得として認識しているために、大きな間違いが起きているのだそうです。

ここで、「人間には造れず、単に発見できるだけの資本」というのは、たとえば石炭・石油・天然ガスなどの化石燃料のことです。地球全体で見たときに、これは地球の財産つまり「資本」であることは間違いありません。ある会社が資本をどんどん食いつぶしていれば、経済学者でなくても誰もが、この会社が軌道に乗っているとは考えません。それなのに、人間はこの「資本」を「所得」として扱い、科学・技術の驚異的な進歩に支えられた無尽蔵の戦力を持っているという幻想を抱いていると、シューマッハーは訴えています。

彼は、新しい生活様式の提案もしています。以下は抜粋です。

農業では、生物学的にみて健全で、地力を強め、健康と美と永続性を生むような生産方法を完成させるように努めることである。生産性の向上はあとからついてくる。工業の分野では、小規模の技術、非暴力的な技術、「人間の顔をもった技術」を開発することによって、賃金のためだけに働き、余暇時間の楽しみにはかない期待をかけるのではなく、楽しみながら働くことができるようにすることである。一歩進めて、工業は現代生活の先導者なのだから、経営と労働の間の協調関係の形とか、さらには共同所有の形を探ることもできよう。


残念ながら、現代の多くの人はまさに賃金のためだけに働き、余暇時間の楽しみにはかない期待をかけていますよね。そうでない働き方・社会をどう実現できるかということが、この本で議論されています。

ここで挙げられている小規模の技術については、彼は「中間技術」と名づけて推奨しています。機械の規模が大きければ、富が一部に集中し、環境にも悪く、人間が機械に働かされている状態になります。一方、機械がなければ、人は原始的に手作業で製品を作ることになります。「中間技術」というのは、その間にある規模の技術という意味です。

私自身、いずれ中間技術を開発・推進していきたいと思っています。しかし、どうアプローチしていくかという部分で、最近は無駄に頭を悩ませている気がします…。

関連記事:
・ ちょうどよい大きさの技術

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チェルノブイリの10分の1だから安全?

福島原発の事故で飛散した放射線量は、チェルノブイリ事故の10分の1だというニュースがありましたね。推定値なので、この値が本当かどうかもよく分かりませんが。でも、そのチェルノブイリ事故とはどういう事故だったのでしょう?

これの10分の1の被害だったら平気だと、本当に思えるのでしょうか?

原発付近の人口は、チェルノブイリの10倍どころではないでしょうし…。

問題提起として、昔のテレビ映像をリンクしておきます。見る覚悟のある人だけ見てください。私自身、正視できないシーンもありました。

チェルノブイリ特集 第1回 潜入!最悪汚染ゾーン('93.5)


チェルノブイリ特集 第2回 子供に何が起きたか('93.5)


チェルノブイリ特集 第3回 原発汚染 死の生活('93.5)


チェルノブイリ特集 最終回 少女の体に放射能は 衝撃的レポート('94.7)


昔の映像なので、途中、レントゲン(R)という単位が出てきます。フィールドの測定値「4ミリ・レントゲン」は37 μSv/hに当たると思います。(間違っていたら教えてください!)

ところで、この特集の間のものはどこかに無いのでしょうか?第3回の最後に「明日は、汚染地域の子どもたちの1ヶ月の療養について」と言っていますが、この内容に興味があります。

次回から普通の記事に戻ります。読むのが辛い内容だと思いますが、書くのも辛いので。いずれまた、この話題に戻ることもあるかもしれません。

関連記事:
・ 放射能で子どもたちに起きている異変
・ 放射能汚染について、ドイツZDFのニュース
・ 原発事故: 情報の取捨選択について

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Author: ノラ
ドイツ・ベルリンに在住。
ドイツで見つけたモノについて書いていたブログですが、雑多な情報に変わってきました。広範囲だけれど、ときにマニアックな話も混ざります。

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