東西に住む双子が入れ替わる映画 『Kleinruppin Forever』
前回、予告しましたが、今度は東西の壁がある頃をテーマにした映画です!
双子のTimとRonnieは東ドイツで生まれますが養子として、Timは西ドイツのブレーメンで、Ronnieは東ドイツのKleinruppin(架空の街です)で、別々に育てられます。
Timの養父母は西側に亡命し、西ドイツのブレーメンで建築家として成功します。お金持ちの両親のもとで、Timはテニスの才能を発揮し、女の子にもモテモテの生活を送ります。
ところが、1985年に2人が19歳になった時、転機が訪れます。Timが学校の遠足で東ドイツのKleinruppinを訪れることになったのです。お互いに存在を知らなかった2人が、偶然出会ったのです。
西側に行きたかったRonnieはTimを陥れ、Timと入れ替わって遠足のバスで西側に行ってしまいます。Timは東側に残らざるを得なくなってしまったのです。
なんとか再び西側に戻ろうと手をつくすTimですが、なかなか成功しません。その間、東側の生活でいろんなことを経験していきます。


この映画、最初は安っぽいコメディなのかと思いましたが、後から深い話になっていく良い映画でした。
そう感じたのもそのはず。後から知ったのですが、最初の西側のシーンでは、テンポのあるカメラワークで西側の社会を表現し、東側では意図してゆったりさせて、東側の生活を表現していたのです。私がそういう感じを受けたのは、監督の思うつぼでした。
出演している役者さん達もすごく良かったです。特にRonnieの養父のErwinがとてもいい味を出していました。後から調べてみたら、賞をいくつもとっている俳優さんでした。テレビや映画でけっこうよく見る顔なのですが、ちゃんと認識していませんでした。
Kleinruppinは架空の街ですが、Neuruppinという街はベルリンの北西60kmぐらいのところにあります。映画の設定の場所もブランデンブルク州の大体そのあたりのようです。
ですので、東ドイツ側でのシーンでは方言もけっこう出てきます。ベルリン弁に慣れていないと、理解しにくいかもしれません。双子のTimは標準語のHochdeutschを話すけど、Ronnieはバリバリの方言なのですよ。
この映画の上映は2004年で、ベルリンの壁が崩壊してから15年後です。東側の様子もだいぶ変わったため、撮影場所探しはなかなか大変だったようです。
Kleinruppinの街中の撮影は、ベルリンの北西にあるWittenbergeでされたそうです。Wittenbergeは昔はSingerミシンの工場があるなど、とても栄えた街でしたが、失業率が高く、東西統一後の開発が遅れた街でもあります。
東西分裂時の東側の様子を色濃く残した街での撮影で、東側の雰囲気もとてもよく伝わってきます。
秘密警察のStasiが暗躍する様子や、若者向けの酒場の様子、東側で広まっていたヌーディズムのFKKの習慣など、東ドイツの生活をふんだんに再現しているので、そういう意味でも楽しめる映画です。
関連記事:
・ Die Ärzte主演のベルリン映画『Richy Guitar』
・ ベルリンが舞台のオススメ映画
双子のTimとRonnieは東ドイツで生まれますが養子として、Timは西ドイツのブレーメンで、Ronnieは東ドイツのKleinruppin(架空の街です)で、別々に育てられます。
Timの養父母は西側に亡命し、西ドイツのブレーメンで建築家として成功します。お金持ちの両親のもとで、Timはテニスの才能を発揮し、女の子にもモテモテの生活を送ります。
ところが、1985年に2人が19歳になった時、転機が訪れます。Timが学校の遠足で東ドイツのKleinruppinを訪れることになったのです。お互いに存在を知らなかった2人が、偶然出会ったのです。
西側に行きたかったRonnieはTimを陥れ、Timと入れ替わって遠足のバスで西側に行ってしまいます。Timは東側に残らざるを得なくなってしまったのです。
なんとか再び西側に戻ろうと手をつくすTimですが、なかなか成功しません。その間、東側の生活でいろんなことを経験していきます。
この映画、最初は安っぽいコメディなのかと思いましたが、後から深い話になっていく良い映画でした。
そう感じたのもそのはず。後から知ったのですが、最初の西側のシーンでは、テンポのあるカメラワークで西側の社会を表現し、東側では意図してゆったりさせて、東側の生活を表現していたのです。私がそういう感じを受けたのは、監督の思うつぼでした。
出演している役者さん達もすごく良かったです。特にRonnieの養父のErwinがとてもいい味を出していました。後から調べてみたら、賞をいくつもとっている俳優さんでした。テレビや映画でけっこうよく見る顔なのですが、ちゃんと認識していませんでした。
Kleinruppinは架空の街ですが、Neuruppinという街はベルリンの北西60kmぐらいのところにあります。映画の設定の場所もブランデンブルク州の大体そのあたりのようです。
ですので、東ドイツ側でのシーンでは方言もけっこう出てきます。ベルリン弁に慣れていないと、理解しにくいかもしれません。双子のTimは標準語のHochdeutschを話すけど、Ronnieはバリバリの方言なのですよ。
この映画の上映は2004年で、ベルリンの壁が崩壊してから15年後です。東側の様子もだいぶ変わったため、撮影場所探しはなかなか大変だったようです。
Kleinruppinの街中の撮影は、ベルリンの北西にあるWittenbergeでされたそうです。Wittenbergeは昔はSingerミシンの工場があるなど、とても栄えた街でしたが、失業率が高く、東西統一後の開発が遅れた街でもあります。
東西分裂時の東側の様子を色濃く残した街での撮影で、東側の雰囲気もとてもよく伝わってきます。
秘密警察のStasiが暗躍する様子や、若者向けの酒場の様子、東側で広まっていたヌーディズムのFKKの習慣など、東ドイツの生活をふんだんに再現しているので、そういう意味でも楽しめる映画です。
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